私の気持ちと東京の暮らし

感じたことを書こうと思いました

平日の昼、台風の過ぎた飯田橋で

秋を連れてくる台風が過ぎ去っても尚残る夏の日差しを日傘に感じながら、平日の昼間、私は飯田橋にいる。
今日は朝に病院に通うために有給休暇をとっていて、診察も待たされず気持ちよく病院を出たところ、あまりに天気がよかったので前から気になっていたレストランに電話をしてメトロに乗った。

平日のランチを一人で楽しめるというのは、なんと幸せなことなのだろうか!
決してお金が余るほどあるわけではなく、人が振り返るような美人でもなく、地方から上京し東京の高い家賃を払いながら一人暮らしをする普通の会社員である。
ああだこうだとしゃべりながらデザートまでしっかり堪能する気のおけない女友達とのランチもよい。昨夜の疲れを残しながら朝寝坊して、おなかがすいたと外に出て近場の店に入る男友達との食事もよい。
しかし、晴れの平日を一人で楽しむ時間も良いものだ。

こんな明るくて前向きな気持ちを常に保てていられれば幸せなのだが、なんでもないことで落ち込んだり、孤独や不安を感じるときもたまにはあるので、今このときの高揚感をないがしろにせずむしろ活用することにする。

地元の友達は結婚や出産というイベントを経験し始めているが、私の親は焦って早く結婚しないようにと常々言うから、年齢によるプレッシャーも感じない。
結婚した友達の大変ながら幸せな家庭の話を聞くのも楽しいし、還暦を越えても若々しくシングルライフを満喫する女の先輩の話を聞くのも楽しい。
お昼時を迎えた飯田橋のレストランは、近くのビルから短いランチタイムを美味しいもので充実させようと会社員が一人、二人、あるいは団体であっという間に満席になった。

図書館で借りた田辺聖子を思い出しながら、女子好きのする内装の明るいソファ席に背中を沈め、これからどうしようかと現実とも夢ともつかない将来のことをふわふわと考える。
公開したばかりの観たい映画や、今度の連休にはどこに行きたいか、飼いたい犬の種類、マンションを買うとしたらどこにするか、そういう類いのことだ。

女の人生、なんて大仰な言葉を使うつもりはないが、こんな日常の心の動きも、一人の女の、人生のひとつであるのだなと薄いイチゴ味の飴を舐めるように心にじんわりと広がる日だ。